篠原工業は「空気」です
篠原工業の主な仕事は、比較的、小さく、精密なプレス加工品です。
しかし、例えば立体的で複雑なUSBコネクターのような精密プレス加工とは趣が違います。
彼らは様々な機構を駆使して、複雑な形状を作ります。金型を一見しても分からない程です。
これに対して、当社はどうか?
板を抜き、板を曲げる、板を絞る など、加工の基本を組み合わせ、製品を作っています。
見た目はわりとシンプルな端子、ワッシャーなどです。
ここまで読むと、
「なんだ、篠原工業は技術力がない、簡単なことをやっている」
そう思われるかもしれません。
しかし、この国で、どれ程の人がハサミでまっすぐ紙を切れるでしょうか?
包丁をいつも研いで、きれいな切断を出来ているでしょうか?
実際に生活の中で、私が難しいと感じていることです。
見た目に簡素であるがゆえに、私たちの仕事は、ごまかしが効きません。
金型の刃先については特に神経質に、製品の検査においては慎重に。
といって、工芸品ではないので、ある程度機能的な範囲を鑑みて、適切に。
取引先のある女性担当者が、当社を評してこう言いました。
「篠原工業は、”空気” みたいなものだから。いなくなった時に初めて分かるのよ」
部品製造業においては、最高の誉め言葉かもしれません。
私たちの品質に慣れてしまい、当たり前になってしまうと、その有難みは評価されません。
値段が高い/低いでいえば、私たちの仕事は、その簡素さ故に、安い仕事です。
数字上だけの判断をされれば、ただただ、安っぽく見られます。
しかし、私たちの加工の価値は、難しい仕事のそれと相違ないのです。
そういう思いで作っている端子やワッシャーは、いい仕事をします。
ぜひ一度、当社の部品をご利用ください。
御社の組立工程の ”空気” 量が増えて、いつの間にか呼吸が楽になります。
代表取締役 篠原 謙介